帶江西国三十三観音

一 番

心鏡寺の本堂内

一番(那智山青岸渡寺)は倉敷市羽島の心鏡寺の本堂内にありました。やはりこの三十三観音は当時の心鏡寺住職が発起者だったのでしょう。本堂内には正面に阿弥陀如来像が、左後ろに勢至菩薩像、右後ろに正観音菩薩像がまつられ、この正観音菩薩像が帶江西国三十三観音の一番とされていました。
 右の写真のように、金ぴかの立派な像です。等身大はあるでしょうかご住職のお話では「室町期の作品」と言われたことがあるそうです。江戸時代に創立された「
帶江西国三十三観音」はこの観音像をもとに、他の32石像を村内に配置したものとみられます。

浄土教信仰の御本尊は、阿弥陀如来ですが、この仏様には脇侍として観音、勢至の両菩薩様がおられ、これをもって阿弥陀三尊といわれるそうです。

 お寺の奥深くまつられている観音様です。写真に撮ってこうして衆目にさらすのはもしかしたらはばかられるのかもしれません。しかし、数百年前の先祖の方々の遺徳をしのび、帯江西国33観音を皆さんにすこしでも知っていただくことは意義あることと考えました。一番がこのように立派な観音像だと知っている人は少ないようです。それでご住職にお願いしましてこうして写真におさめさせていただきました。ありがとうございます。

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