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大阪府の『杉原』は、三都(京阪神)境の山の中でした

西国三十三観音巡礼のなかで
 
 二十四番中山寺(なかやまでら)、二十三番勝尾寺(かつおうじ)・・、えっ何のこと?ですって。もちろん西国三十三観音のことです。
 経過から言いますと「帯江の歴史」調査中に、石仏の「帯江西国三十三観音」に出くわしてしまった私は、ついつい調査して案内書を自費出版してしまいました(2002,9)。皆様に喜んでいただいたのですが、今年に入って高校の同窓会で和歌山に行く機会がありまして、「西国三番粉河寺」に詣でてしまったのです。ついふらふらと『納経帖』などを買い求めたのが不幸の始まり!なのか幸福の始まりだったのでしょうか???
 信心などと縁のないわたしですけど、勢いで「このさい全部まわっちゃえ」あ、それほどでもありませんので、「そのうちどこかで全部まわれるかもしれないなー」なんて勢いです。何十年?かかることやら??トホホ!!
 というわけで晴れ渡った今日は、つい出来心で(私にとってはそうなんです)宝塚インターを下りてしまったのです。最初の中山寺は安産祈願のお寺だそうです。え、それは地元の「帯江不洗観音」だろうって?。そうです。強力な競争相手です。でもこうして手を合わせていますとなぜかそうした世俗の諸々が洗い流されていくようで・・。こんなのを『敬虔な』というのでしょうか?信心する人達の気持ちの一端がわかったような気持ちにさせられました。
 さて、二十三番勝尾寺(かつおうじ)の次は、二十一番穴太寺(あなおじ)です。(二十二番総持寺さんは和歌山からの帰りに参拝しましたので)。

途中で出会った「杉原」という地名
 
 国道423号線を北上して京都府を目指します。でもここって・・。そうです。以前に『杉原さん』調査で大阪の杉原さんとして「大阪府豊能郡野瀬町杉原」という地名を発見した近辺ですよね??。
 ちょうど「村役場」に出会いましたので車を止めて取材取材!。「あ、野瀬町と豊野町って、よく間違われるんです?」なんとここは隣町の豊野町だったのです。でも豊野町役場の案内嬢はさすがでした(息子の嫁に??いらぬおせっかい?)。隣町の『杉原』についてもすらすらとご案内をいただいたのです。大阪府って西北部は長く突き出していまして、どこが京都府やら兵庫県やらわけがわからない地域があるようなんです。そこにある『杉原』地区!。国道423号線を北上して、京都府亀岡市に入ったあたりから左へ。再び大阪府に入ったところが『杉原』だったのでした。
 「ここらあたりは山奥でないところを探すのが難しいですよ。」(前出豊野町役場の案内嬢)。『大阪府』という地名にかかわらず、本当に山また山の土地柄です。5月もたけなわ、むっとむせ返るような緑の景色が続いたあとで、「コスモスの谷」という看板に出迎えていただきました。攝津の「杉原」地区はコスモスの谷だったのです。また秋に来たいものではありませんか。

攝津と丹波の国境いにあった「杉原」地区
 
 その深い谷あいに突如出現するのが『杉原』集落です。およそ30戸もあるでしょうか。谷あいに軒を接するような家々が続いています。中央を流れる小川が「杉原川」。かかる橋に「杉原橋」もあり、日に3~4本のバス停「杉原」もあります。なんだか歴史の有る土地柄と言う雰囲気いっぱいです。期待期待!。
 私は前日に苗代仕事を終えたばかりですが、ここはもう田植えが終わっています。やはり山間は早稲品種の稲で、作付けが早いようです。
 少し高いところにお寺さんらしいのがあるのを見つけて行ってみました。鳥居があるのをみるとお宮かな?(八幡社だそうでした)。
 すぐ目についたのは「杉原小学校跡」という石碑です。どうも明治のころにでもここが小学校だったようです。当時は有力な土地柄だったのかもしれません。
 それ以上に目についたのが「杉原城跡」という真新しい説明版です。何々「ここは攝津と丹波の境で・・・」。その説明によりますと、ここ「杉原」はその昔「攝津」(大阪府西北部から神戸市にかけて)の国と「丹波」(兵庫県東部から京都府西部にかけて)の国の境界にあたり、軍事上の要衝の地とされてきたそうです。戦国時代こうしたところに城が築かれるのは当然の事で、ここの裏山にも堀切や土塁など様々な城跡遺構が残されていると書かれています。いちおう当時近くの口丹波に台頭した長沢一族の出城であったという説が有力なのだそうです。もちろん誰が城主だったとか、どんな戦いがあった?などは記録にもないようでした。

 「杉原」は最近では花粉症の元凶??のように言う人もいますが、でも「杉」は日本を代表する木の一つです。あちこちに「杉原」という地名があるに違いない・・というのは私の思い込みだけなのでしょうか?
 私の住む岡山県にもありましたし、お隣の広島県にも「尾道の杉原の庄」という有力な説があります。また兵庫県にも「杉原谷」がありました。また京都府にもあったのです。先日訪ねた和歌山県の杉原に続くこの大阪府の杉原は、ひょっとすると「全国にあるのでは???」なんて妄想をいだくきっかけになりそうな予感がしてきました。皆様、乞うご期待!(なんてね?)(2004,5)

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