時計台の大学の杉原先生

 「時計台の 下で逢って、私の恋は はじまりました・・・・」おっと、裕次郎の「恋の町札幌」がでてしまいました。かって、札幌の北大についで広いキャンパスで有名だった「岡山大学」。
 正面に時計台があり、ポプラならぬ銀杏(いちょう)並木の岡山大学にも「杉原」さんがおられた。教育学部の杉原黎子教授である。

 「岡山大学って、何か新幹線が止まる駅から歩いてこられる珍しい大学なんですってね。で、学会がたいへん多い大学になったらしいですよ。」
 本に埋もれた研究室で話される先生のお顔は、何か輝いてみえた。「家政科」がご専門の先生に対する、私の封建的な先入観はみるみる崩壊していく。「医学博士」の肩書きもおもちで、「論文博士ですよ。」とかるくおっしゃる。

 「ご趣味は?」などと、ふとどきにも聞いてしまった。「そうねー。前に絵を見るのが好きとどっかで答えてしまって、画廊の人がいっぱいきて困ったことがあったわねー」とか。うーん。これじゃあHPで趣味の話しもできないな・・・。予防線を張られてしまいました。

 で、やっぱり最後に「ご先祖の話し」になった。「私、生まれと育ちは広島県福山市です(むむ!、広大付福山高というと・・)。亡くなった伯父の話しでは、先祖は神辺城主とか・・・。ただし、証拠になるものはまったくありません。家紋は桐紋です。福山の正善寺にお墓があるのですが、伯父の話しでは三宝寺の墓がそのまえの先祖らしいです」

 「官々接待とか、官民癒着とか、今節流行の出来事とはまったく無縁の、清潔このうえない日常です」と笑っておられるお顔をみていると、いつまでもこうして話していたい気分にさせられたひとときであった。('97,1)
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