ゴルフ界の雄・杉原輝雄さん

 「杉原姓」のHPをやっていますと、時々「有名な人に、ゴルファーで杉原輝雄さんがいますよ」といったE-MAILがまいこんできます。
 「杉原輝雄」。そうなんです。このHPには欠かせない名前ですよね。いつかインタビューして・・・というのは、私がHPを始めてよりの念願でした。
 しかし、60歳にしてなお、プロゴルフツアーで全国をまたにかけた活躍をされている超多忙なかたです。そう簡単にはお会いできるはずもありません。

 でも今回、岡山に来られるという情報がはいったのです。ぜひこの機会に・・・と、連絡をとろうと考えました。でも「今は沖縄に行っていますよ」。何と、連絡さえとれそうにないのです。
 でも幸い「朝の、30分ならいいよ」という会見の承諾をいただきました。で、あつかましくも、早朝の7時30分に滞在中のホテルへでむいてインタビュー、とあいなったわけです。

 「あ、あの顔だ!」見覚えのある方(もちろん写真などで)が、トコトコと歩いてこられます。
 座るといきなり、『はい、何でも聞いてください。』と言われて、まずはあたりさわりのないとこから始めてぼつぼつと・・、と考えていた私は絶句してしまいました。でも気をとりなおしてと思ったとき、気の毒に思われたのか『プロゴルファーです。昭和32年、20歳でプロ入りしてより今まで続けてきました。他に時間があるときは、趣味とまではいきませんが、テレビの野球観戦をしたりドラマを見たりしています。』と自己紹介のように話してくださいました。
 「今も今もプロツアーで、全国をめぐっておられるんですよね。」
 『そう、まあ全国というわけではないが、3月に始まってこの前の沖縄で終わりました。試合があれば出かけて行きます。シニアにも年に2~3試合はでています。』
 「杉原さんにとってのゴルフとは?」
 『仕事ですから。生活のために健康である以上続けて行きます。大事な職業です。ゴルフというのは素晴らしい。ハードでないだけに今までやってこれて、いい職業を選んだなーと思います。上位で活躍できた時もあったが、あれは運もないとだめでそう続くもんじゃあないです』
 あくまでもトツトツと、まるでグリーン上で静かにパッティングをされる雰囲気そのままに語られる。”大事な職業です”と言われたところが、私の気持ちにずーんと響いてきました。

 「得意というのは何でしょう?。」
 『そういうのは、自分としては特別にはないです。人からはパッティングがうまいとかいわれても、自信があるわけではないし。』
 「今までのゴルフ歴のなかで、いちばん印象に残っていることは?。」
 『最初に日本オープンで優勝したこと。これがあったから今があると思っています。何も考えず、無我夢中でやっていたら勝っていた。2ストローク差だった。』
 その後の活躍は、皆様御承知のとおりです。25歳で日本オープン優勝という偉業をなしとげた杉原輝雄さんは、その後20年間トッププロの地位を保ち続け、この間のタイトル数は、プロ最多の国内51勝、海外1勝・・・という具合です。

 「最近のゴルフ界についてどう思われますか。」
 『そう、みんな体格もよくなって、距離やパワーも違う。層の厚さも違ってきた。大型時代になってきて、それに対応するのはそう簡単ではないです。本当は体力を鍛えればいいんだろうが。まあ、クラブをのばしたり、シャフトを変えたりとか、生きて行くためにいろいろ工夫はしていますよ。』
 「ところで、杉原プロにはいろいろなニックネームがついているようですが・・・」
 『あれは報道関係者が勝手につけていることで、本人はあまり気にしていない。”まむし”とかいわれても、まあいい気分ではないが。まむしのような執着心がでてきたらいいなと思うけれども、実際にはそうでもないし。”勝負師などともいわれるが、、もっとそうならいいなと思うけれども、なかなかそうはいかないしね。』
 私など、もし勝負師なんて言われたら、すぐ有頂天になってしまいそうですが。うーむ。気負いもなく、たんたんと話される杉原輝雄さんの姿はどう表現したらいいのでしょうか。やはり、プロゴルフ歴40年の重みが伝わってきます。
 「勝負師」の雰囲気とはこういうのを言うのでしょうか。じっと目をすえて、あくまでもの静かに、質問には手短に要点をついて話されます。すっかり気負されてしまった私は、「杉原姓インタビュー」では定番の「ご先祖の話し」を持ち出すのをすっかり忘れてしまいました。

 でも、この日は私、「杉原輝雄」オッカケマンに徹してしまったのです。とうとうプレー中の倉敷市の某名門コースへまでおじゃましまして、ディジカメでのスナップ写真までものにしてしまったのであります。
 ところが、グリーンの近くで盛んにシャッターを切っていた私の耳元で『もしもし、○○ちゃん?』。何と、私の幼い頃の呼び名をささやくお人がいるではありませんか。みるときれいなキャディーのおねえさんです。「え!、ダレダレ!!。」『○○よ。』「えっ。。。。」

 な、何と、そこには私の幼ななじみのお方の顔があるではありませんか。我が地元のゴルフ場とはいえ、すごい奇遇です。
 ”おさななじみの思い出は、ああまいレモンの味がする・・・・。”
 おっとっと、そのような場合ではありません。でも思わず彼女入りのカットを撮ってしまったりしました。
 『杉原輝雄プロはよくこられるんですよ。いつもああして、コースのゴミを拾われたり、穴を埋められたり、とてもマナーの良い方ですよ。』
 彼女の解説が、またまた杉原輝雄さんの株を上げてしまった1日でした。


PS: あとでこの話しを同僚にしました。そうすると、「へーーえ。ノーギャラで、杉原輝雄のインタビューをやったのは、たぶんあなたが初めてじゃあないの・・・。」なんてからかわれてしまいました。「関西ゴルフ界のドン」へのインタビューといっても、私の「杉原姓ホームページ」もボランティアですから。いいですよね、みなさん・・・。(97,12)

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